CBDのフルスペクトラム・ブロードスペクトラム・アイソレートとは?

CBD製品のパッケージによく見かける「フルスペクトラム」「ブロードスペクトラム」「アイソレート」という用語。何かわからずに購入している方が多いかもしれませんが、この言葉を知ることでCBDへの理解が一層深まりますし、自分に適したCBD製品をもっと見つけやすくなるかもしれません。

CBD製品に至るまで、大麻植物からCBDを”抽出”し、そのCBDを製品化する”製法”があります。この製法の違いによってCBD以外の成分の含有量が変わり、フルスペクトラム、ブロードスペクトラム、アイソレートと名称が変わります。

CBD製品を作る上でとても重要な2つの抽出方法と3つの製法をご紹介します。

CBDの抽出方法

大麻植物からCBDを抽出するのは、とても繊細でコストがかかる作業と言われています。CBD製品が高額になってしまうのも抽出作業そのものが大変だからという理由が大きいようです。

また、コストだけではなく抽出方法によっても製品の品質にも影響が出てくるので、大切な工程だと言えるでしょう。ここでは主要の2種類の抽出方法をご紹介します。

アルコール抽出法

多くの物質から貴重な物質を抽出する際に古くから使われてきた方法がアルコール抽出です。原理は大麻植物をエタノールに浸すことで、水溶性という水に溶けやすい特性を持つCBDオイルを抽出する方法になります。

最大のメリットは低コストでCBD製品を生産できること。低コストで素早く抽出できることから、大量生産品に向いた抽出方になります。

しかし、抽出物に微量のエタノールが残る可能性があるため、体に悪影響を及ぼす可能性があるのも事実です。現在ではオーガニック植物のアルコール成分を使用した抽出方法もあるので、何のアルコール成分で抽出しているかを調べると、より安全に使用できると思います。

超臨界CO2抽出法

二酸化炭素と圧力を用いてCBDを抽出する方法です。低温を利用した「超臨界」、高温を利用した「亜臨界」の2種類がありますが、高温を利用すると作業過程でカンナビノイドが失われてしまったり、成分自体にダメージを与えてしまう可能性が高いので、ほとんどのCBD製品には低温での超臨界抽出が用いられます。

この抽出方法は高価で大型な機械を必要としますが、二酸化炭素を使うことで不純物が混ざりにくく、100%に近い純度の高いCBDを抽出できます。コストがかかる抽出方法なので高額な製品になってしまいますが、医療レベルのクオリティーを保つことで安全かつ有効性が高い抽出法だと言えます。

近年この技術を応用してコーヒーからカフェインを抽出したり、ビールのホップから繊細な香りの成分を抽出したりと食の安全性が求められる現場でも使用されています。

CBDの製法

大麻植物にはCBDを含む100種類以上の薬理成分”カンナビノイド”が含まれており、その他にも植物本来の成分であるビタミン・ミネラル・脂肪酸・フラボノイド・たんぱく質・テルペンなどさまざまな物質が含まれており、その数は400種類以上と言われています。

CBD製品は、抽出されたCBDをどのように”製法”するかで含有成分が変わってきます。この含有する成分の違いで「アイソレート」「フルスペクトラム」「ブロードスペクトラム」と分別できるので、主要の3つの製法についてご紹介します。

アイソレート

アイソレート(ISOLATE)を訳すと、「単離する」「隔離する」という意味です。

アイソレートは大麻植物に含まれているCBD以外の成分を全て取り除いたものです。アイソレートのCBD製品は、純度99%の純粋なCBDを指し、CBD以外のカンナビノイド、またはその他の成分は含有されません。

アイソレートのメリット

アイソレートのメリットは以下の通りです。

  • CBDの純度が高い
  • 無味無臭
  • 意図せずTHCを摂取する心配がない

アイソレートCBDは白色の結晶性粉末形態で、麻特有の味、匂いは一切しません。料理や飲み物などに混ぜて使用することにも適しています。

また、知らずに含有していたTHCも摂取する心配もないので、初心者でも安心してCBDの効果を得ることができます。麻由来の成分を使うことに少し抵抗がある方、薬物検査のあるアスリートや、CBDだけを明確な摂取量で摂取したい場合などに適した製法ではないでしょうか。

なにより、日本国内でも安心して使用できることが最大のメリットだと思います。

アイソレートのデメリット

アイソレートのデメリットは以下の通りです。

  • 種類が少ない
  • アントラージュ効果(後述します)を得られない

フルスペクトラムと比べて製品数が少ないのはデメリットの1つです。フルスペクトラムからTHCを除去する工程があるので、時間と費用がかかってしまうのが大きな要因だと言えます。

そしてもう1つのデメリットは、アイソレートは大麻植物のその他の成分全てを排除しているので、アントラージュ効果は期待できません。

フルスペクトラム

フルスペクトラム(Full Spectrum)を訳すと「全範囲」「全領域」という意味です。

大麻植物に含まれるカンナビノイドは100種類以上あり、最も有名なカンナビノイドがCBDになります。フルスペクトラムは前述した抽出段階でTHCのみを取り除き、大麻植物に含まれるカンナビノイド全てが入っている製品という意味です。

カンナビノイド以外にも大麻植物に含まれる主な成分はテルペン・必須ビタミン・ミネラル・脂肪酸・繊維・タンパク質・クロロフィル・フラボノイドなどです。さまざまな成分が相互作用することでアントラージュ効果を引き出しやすくなります。

しかし、大麻植物が持つ全ての化合物が含まれているということは、THCが微量に含まれる可能性も高くなることを意味します。実際にアメリカで販売されているCBD製品はTHCが0.3%以下、ヨーロッパでは0.2%程度含まれているものが”THCフリー”として販売されていますが、日本ではTHCが微量でも含まれていたら大麻取締法、麻薬取締法で規制されているため違法です。

一概には言えませんが、日本の販売業者でも解釈の違いで、THCを含まないフルスペクトラムとして販売している製品もあります。本来の意味のフルスペクトラム製品であれば、THCが含有している、又は日本では規制の対象となる部位から抽出したCBDの可能性があるかもしれません。

そのことを踏まえて、フルスペクトラムのメリットとデメリットをご紹介します。

フルスペクトラムのメリット

フルスペクトラム製品は原液由来の数多くのカンナビノイド類を含んでいるエキスということで、大麻植物そのものに一番近いタイプの抽出オイルです。この製法でのメリットは以下の通りです。

  • アントラージュ効果(※後述します)が働きやすい
  • 100%CBD成分より少量で効果が期待できる
  • 100%CBD成分より耐性がつきにくい

フルスペクトラムの最大の特徴は、大麻植物のカンナビノイド以外の成分と一緒に摂取することで、より高い効果「アントラージュ効果」などを得られると言われています。

フルスペクトラムのデメリット

フルスペクトラムのデメリットは以下の通りです。

  • 100%CBDより多少苦味がある
  • 意図せずTHCを摂取してしまう可能性がある

フルスペクトラムCBDはテルペンやフラボノイドが残っている為、麻特有の土の青臭い風味と味も特徴的です。そのためクリーム、マッサージオイルなどに使われることが多いと言われています。

もう1つのデメリットは前述しましたが、フルスペクトラムCBDは大麻植物の全草から抽出するため、少ない大いに関わらず精神活性作用があるTHCが含有されている可能性があります。

実際に、現在(令和2年9月15日)2社のフルスペクトラム製品からTHCが検出されています。

今般、エリクシノール株式会社(所在地:東京都渋谷区)から販売されているCBD製品のうち、リストのとおり18種類の製品の成分を分析しました。
 分析の結果、18種類の製品のうち
    ナチュラルドロップス3000
    シナミントドロップス3000
    プロフェッショナル2000
の3種類の製品から、微量の大麻成分THC(テトラヒドロカンナビノール)が検出されました。

引用元:『大麻成分THCを含有する製品について

今般、株式会社こころ(所在地:埼玉県蕨市)から販売されているCBD製品のうち、リストのとおりの製品を分析しました。
 分析の結果、2種類8製品のうち
    CBDオイルPro900(容量10mL、賞味期限2020.02.13)
    CBDオイルPro900(容量10mL、賞味期限2020.02.15)
    CBDオイルPro900(容量10mL、賞味期限が記載されていないもの)
    CBDオイルPro2700(容量30mL、賞味期限2019.07.23)
    CBDオイルPro2700(容量30mL、賞味期限2019.11.08)
の2種類5製品から、微量の大麻成分THC(テトラヒドロカンナビノール)が検出されました。

引用元:『大麻成分THCを含有する製品について

日本でフルスペクトラムCBDの製品を購入する場合は、日本の規制にかからない製品であること、THCが含有されていないことが確実に証明された製品を選ぶことをおすすめします。

ブロードスペクトラム

ブロードスペクトラム(BROAD SPECTRUM)を訳すと「薬効範囲が広い」「広範囲に使用される」という意味です。CBD製品におけるブロードスペクトラムは、大麻植物に含まれるカンナビノイドが、CBD以外にも広範囲に含まれていることを指します。ブロードスペクトラムの定義は以下の通りです。

  • CBD以外のカンナビノイドが含まれているもの
  • アイソレートにその他のカンナビノイド(THC以外)やテルペンを追加したもの

このことを踏まえた上で、ブロードスペクトラムのメリットとデメリットをご紹介します。

 ブロードスペクトラムのメリット

ブロードスペクトラムのメリットは下記の通りです。

  • アントラージュ効果が働きやすい
  • 意図せずTHCを摂取する心配がない

フルスペクトラムと同じように、CBD以外のカンナビノイド、テルペンなどを含んでいるのでアントラージュ効果を受けやすくなります。フルスペクトラムはTHCを含めたアントラージュ効果でしたが、ブロードスペクトラムはTHCを摂取する心配がありません。

日本で許可されているCBD製品のTHC含有量は非検出レベルでなくてはなりません。テルペンなどの恩恵を受けながらTHC以外のカンナビノイドも摂取できるフルスペクトラムとアイソレートのいいとこ取りタイプのオイルと言えます。

ブロードスペクトラムのデメリット

 ブロードスペクトラムのデメリットは以下の通りです。

  • 種類が少ない
  • 100%CBDより多少苦味がある

製品数の少なさは、理由も含めてアイソレートと同じです。

そしてもう1つのデメリットは、フルスペクトラム同様に麻特有の土の青臭い風味と味が特徴的です。個人差はありますが、CBDオイルを舌下摂取する場合苦手な方も多いと聞きます。

フルスペクトラムとブロードスペクトラムの違い

フルスペクトラムとブロードスペクトラムの定義はさまざまで、明確な分け方が無い状況です。一般的な定義は下記の通りです。

  • フルスペクトラムは大麻植物からTHCのみ除外したもの
  • ブロードスペクトラムはCBDにTHC以外の大麻植物の成分を追加したもの

しかし、この定義はメーカーによって異なるケースがあるので、現状をまとめると、

  • アイソレートは大麻植物からCBDのみを抽出したもの
  • フルスペクトラムとブロードスペクトラムはCBD以外にも大麻植物の成分が含まれているもの

このような定義になると思います。フルスペクトラムとブロードスペクトラムは、実際にどのような成分が含まれているか製品ごとに確認することをおすすめします。

アントラージュ効果とは?

アントラージュ効果は、大麻植物に含まれるカンナビノイドやテルペン、フラボノイドといった成分を同時に摂取することで、これらの成分が相互作用し、より高い効果を期待できる効果のことです。それぞれのカンナビノイドを足し合わせるよりも効率が良いという考え方で取り巻き効果とも言われています。

具体的にアントラージュ効果を得るには、なるべく植物の大麻をそのままに近い状態、すなわち「植物エキス」として摂取することが一番の方法になるので、フルスペクトラム製法のCBDが最適だと言えます。しかし、前述しましたが、フルスペクトラムCBDはTHCが含有している可能性もあります。日本で使用する場合は、THCが含有されていないことが確実に証明された製品を選ぶことをおすすめします。

そしてブロードスペクトラムもフルスペクトラムからTHC成分のみを除去した製法なので、こちらもアントラージュ効果を期待することが出来ます。

また、アイソレートに関してはCBD以外は含有されていない製法ですが、テルペンなどを後から追加することでアントラージュ効果に近い効果を得られる製品も存在します。

テルペンは近年になってカンナビノイドとの相乗効果が注目されるようになり、アントラージュ効果にとって重要な存在であることが明らかになりました。

テルペンとは?

テルペンは大麻植物やその他の植物、果物、野菜、更には一部の昆虫から生成され、それらに風味や香りを与える化合物です。

私たちが自然の中で日常的に感じる「よい香り」は、多くはテルペンから生み出されています。レモンやオレンジの爽やかな柑橘系の香りや、杉や檜の心休まる香り、そしてメンソールのすっきりした香りなどもテルペンによるものです。テルペンは神経系や免疫系などに働きかけることで血圧を下げる働きリラックス効果があるといわれ、アロマテラピーや香水などに広く使われている成分です。

さらに、テルペンはカンナビノイドに似た動きをすることでエンド・カンナビノイド・システム(ECS)に作用するといわれ、摂取することでカンナビノイドの働きをサポートするとも言われています。CBDを含めたカンナビノイドとテルペンを併用することで、アントラージュ効果が生まれやすい

まさに植物の持つパワーの源と言えるテルペン類。CBDを最大限活用するには、このテルペン類の力を借りて、一緒に摂ることをおすすめいたします。テルペンは、非常に重要なCBDのアントラージュ(取り巻き)。この心強い取り巻きたちと共に摂取することで、CBDは単体であるよりも、はるかに強力に私たちの健康をサポートしてくれることでしょう。

テルペンと言っても何種類ものテルペンが存在します。大麻植物に含まれる約200種類のテルペンのうち、代表的なテルペンついてご紹介します。

ミルセン

ミルセンは大麻植物に最も多く含まれる代表的なテルペンです。ホップ、レモングラス、マンゴー、バジルなどのハーブにも多く含まれ、土っぽい香りが特徴になります。

ある研究では鎮痛・鎮静効果、筋肉をリラックスさせる働き、糖尿病の治療に有効であると発表しています。また、血液脳関門への浸透性を促して、通過できるカンナビノイドの量を増やし、その効果を高めることも発表されています。

ミルセンの濃度がアントラージュ効果に深く関係すると言えるでしょう。

ユーカリプトール

ユーカリプトールはシネオールとしても知られていて、名前のとおりユーカリに多く含まれるテルペンです。ローリエ、ヨモギ、バジリコ、ニガヨモギ、ローズマリー、セージなどにも多く含まれています。

さわやかな匂いとスッキリした味を持つことから、食品添加物、調理スパイス及び香料、化粧品として使用される成分だと言えます。また、医療では鎮咳剤、うがい薬、せき止めなど様々な製品に使用されているのも特徴です。

リモネン

リモネンは私たちの生活でもっとも身近なテルペンです。レモンやオレンジなど柑橘類の皮に含有され、さわやかな香りが特徴的な成分です。その香りから不安やストレスの緩和に効果があるといわれ、気分の高揚、活力の回復が促進されるとも言われています。

医療では抗炎症性、抗菌性、抗真菌性を持つほか、コレステロールを含む胆石の分解、がん細胞の細胞死の誘発、特定の型のがんの予防、胸焼けの軽減などの効果が注目されています。

ピネン

ピネンは松脂(まつやに)や針葉樹に多く含まれるテルペンです。松またはローズマリー、パセリ、バジル、バラなどに含まれている香り成分で、この香りは脳を活性化させて記憶力を高める効果があると言われています。

また、医療では抗菌性、抗炎症性がある他、低濃度で吸引した際には気管支の拡張作用も実証されています。

リナロール

リナロールはローズウッドに多く含まれるテルペンです。ラベンダーにも多く含まれる香り成分で、リラックス効果やストレス解消などを促す花のような香りが特徴です。この効果はアロマテラピーなどで多用されています。

医療では、香りから鎮静効果が促され、睡眠、うつ病、鎮痛、抗炎症薬、または肝臓癌の治療をサポートできる成分として使用されています。

βカリオフィレン

βカリオフィレンはブラックペッパーやクローブなどに含まれるテルペンです。コショウのような香りが特徴で、ほかのテルペン類とは異なる性質を持っています。

その性質とは、カンナビノイド CB2 受容体を活性化することでカンナビノイドのような作用をし、疑似カンナビノイド的作用を持つと言われています。このことから、βカリオフィレンには抗炎症効果、免疫調整効果、更には不安やうつを緩和するなど、CBDと似た効果があると言われています。

ほとんどの研究は動物モデルのデータですが、βカリオフィレンはテルペン類の中でも最も薬理効果の高い化合物として期待されています。

まとめ

大麻植物には、CBDを含む100種類以上の薬理成分「カンナビノイド」と、ビタミン・ミネラル・脂肪酸・フラボノイド・たんぱく質・テルペンなど植物本来の成分も含まれています。

CBD製品を製造する工程には2つの抽出方法と3つの製法があります。この方法によって、CBDとその他にどのような成分が含有されるか調整することが可能です。

【抽出方法】

  • アルコール抽出法:低コストで大量生産に向いている
  • 超臨界CO2抽出法:二酸化炭素の圧力を用いることで高品質な製品を作り出すことが可能

【製法】

  • フルスペクトラム:CBD以外の成分も含有する製法
  • アイソレート:CBD以外は含有されない製法
  • ブロードスペクトラム:CBD以外の成分も含有する製法、またはアイソレートにその他のカンナビノイド(THCを除く)やテルペンを追加した製法

大麻成分から抽出したCBDを、どのような含有成分の製品にするかを選ぶ製法になります。各々のメリットとデメリットがありますが、自分に適したCBD製品を選ぶ際に役立つ基準になると思います。

特にフルスペクトラム製品に関しては、CBD以外のカンナビノイド成分が含有しているため、THCが含まれているかどうかを調べることをおすすめします。日本の販売業者でも解釈の違いで、THCを含まないフルスペクトラムとして販売している製品もあり、実際に国内で販売しているCBD製品からTHCが検出されました。

国内でCBD製品の購入を迷っている場合は、アイソレートかブロードスペクトラム(アイソレートにテルペンなどを足したもの)の製品であれば安心して使用できると思います。

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