CBDの依存性と副作用

CBD(カンナビジオール)は大麻植物から抽出される成分なので、「大麻⇒薬物⇒薬物依存」というイメージから依存性を気にする方が多いようです。しかしCBDに依存性はありません。

CBDの依存性については、世界保険機関(WHO)が正式に発表しているので、その報告書を紹介します。

7. 依存の可能性

A. 動物実験

雄のマウスはCBD(0.1、1、あるいは3mg/kg)あるいはΔ9-THC(1、3、あるいは10mg/kg)で14日間1日1回注入(i.p)された。THCの効果への耐性が観察されたが、服用量のいずれにおいてのCBD への耐性も観察されなかった。動物におけるCBDの身体依存の可能性は、研究で見いだされなかった。

B. ヒト臨床試験

CBDの潜在的な身体依存効果(例えば、離脱症状や耐性)に関するコントロールされたヒト研究では、報告されていない。

参考サイト:第39回ECDD会議事前審査報告書

こちらは翻訳した報告書から抜粋した文章です。臨床実験でもCBDの依存性は低いと報告されていますが、改めてCBDの依存性や副作用、さらには依存性があるものとの比較など、詳細を下記にまとめて紹介します。

CBDの依存性ついて

WHOの報告書でも「依存性の作用を示さない」と発表されているとおり、CBDに依存性はありません。

また、ヘロイン中毒者を対象とした前臨床試験では、CBDは「ヘロインへの渇望」と「不安症状」の抑制に効果があるとも言われています。依存性があるというイメージとは逆に、依存性を解消できる効果が期待されているのもCBDの特徴の1つです。

CBDの「依存性があるイメージ」は、同じ大麻植物から抽出されるテトラヒドロカンナビノール(THCのイメージから誤解が生まれているケースが多いです。THCは”ハイになる”特徴を持つ成分であり、日本の大麻取締法では違法薬物として禁止されています。このTHCのイメージからCBDも違法だと勘違いしてしまう人が多いのではないでしょうか。

THCとCBDの違いを知ることは、CBDの正しい効果を知る一歩だと思います。同じ大麻植物から抽出されたことには間違いありませんが、THCのイメージをそのままCBDに当てはめるのは間違いです。

CBDとTHCの違い

CBDを調べると、必ず「大麻」というキーワードが出てきます。大麻と聞いて不安に思う方が多いと思いますが、CBDは日本国内で違法のマリファナなどの大麻とは全くの別物です。

大麻にはTHC成分が含まれており、このTHCが俗に言う”ハイになる”精神活性作用が生じます。前述しましたが、THCはCBDとは全く別の成分であり、CBDに精神活性作用はありません。

CBDとTHCは同じ大麻から抽出された成分ですが、抽出箇所が違います。THCが大麻の花冠の部分に含まれているのに対し、CBDは大麻の種子に含まれています。2つの成分は同じ大麻を原料としていますが、大麻からの抽出箇所も成分も全く異なるです。

CBDとTHCの違いを表にまとめてみました。

CBD(カンナビジオール) THC(テトラヒドロカンナビノール)
抽出箇所 麻の茎・種子 麻の花冠・葉
精神活性作用 ない ある
日本の法律 合法 違法

日本ではTHCを含む大麻製品は違法ですが、CBD製品は合法なので、国内の通信販売サイトでも気軽に購入することができます。CBDはリラックス効果安眠効果などに期待できるので、ドラッグなどとは全く関係がありません。

依存性度合いの比較

1994年、カリフォルニア大学のジャック・ヘニングフィールド博士が「依存」「離脱」「耐性」という点において、アルコール・ニコチン・コカイン・ヘロイン・カフェインと大麻を比較する実験を行いました。この結果、大麻は最も中毒性が低いという結論に至っています。比較対象がCBDのみではなく、大麻植物全般の依存性になるので参考程度に紹介させてください。

下記の表はジャック・ヘニングフィールド博士による評価です。1は依存性が最も強く、6が最も弱いことを表す数字です。

離脱症状切望感耐性依存性陶酔性
ニコチン34215
ヘロイン22122
コカイン41433
アルコール13341
カフェイン56556
大麻植物65664
  • 離脱症状 ⇒ 運用している薬物を完全に断った時に禁断症状が現れること。身体依存を意味する。
  • 切望感 ⇒ 薬の使用を止められない状態、精神依存を意味する。
  • 耐性 ⇒ 長期の使用によって、同じ効果を得るために摂取量が増えていくこと。
  • 依存性 ⇒ 薬の使用を止められない状態になること。
  • 陶酔性 ⇒ 気持ちよく酔う状態で、その結果、本人や社会に及ぼす害の程度。

大麻は私たちが普段摂取している酒やタバコやコーヒーより中毒になりにくいことが医学的に証明されているようです。

CBDの副作用について

結論から言うと、CBDは副作用が無いと言われています。しかし、副作用に関してWHOから正式な報告書が発表されていますが全く副作用が無いというわけではありません。

例えば、風邪薬を飲むと眠くなるようにCBDも「人体に害がある副作用はありません」という言い方が正しいかもしれません。CBDを使用した場合、処方箋よりも軽い一時的な副作用を起こす可能性があると認識すれば誤解がないと思います。

CBDの代表的な副作用をまとめたので紹介します。

眠気

高濃度のCBDオイルを多めに摂取した時などに眠気が伴うといわれています。

これはCBDのリラックス効果が作用し、安眠効果に繋がると捉えることもできます。CBDの摂取で安眠効果があるのは、CBDが眠気を引き起こすのではなく、不安感が和らぎリラックスした状態になるからです。眠気に襲われることでメリットと捉えるか、デメリットと捉えるかは環境次第と言えます。

CBDの摂取後は車の運転など控えた方がよいかもしれません。

食欲の増加

CBDを摂取すると食欲が増加するケースもあるといわれています。

大麻が食欲増進を引き起こすのは有名であり、医療機関が実際に治療法として使用するケースもありますが、これはあくまでもTHCの効果です。THCは、体内に備わっている身体調節機能エンド・カンナビノイド・システム(ECS)の一部である「CB1受容体」と結合します。これにより、THCが空腹感に影響を与えるといわれています。一方、CBDはCB1受容体に直接結合しないため、THCのような食欲増進作用はありません。

CBDを服用して食欲増進作用が起こる場合は2つの理由が考えられます。

CBD製品にTHCが含まれている

海外で販売されているCBD製品の多くは、THCの含有率が0.3%未満の製品を”THCフリー”として合法的に販売しています。日本では0.3%未満のTHCであっても、THCが検出された時点で違法製品です。海外のCBD製品を使用した場合、0.3%未満のTHCに反応して食欲増進効果が出てしまうケースもあります。

国内でも海外製品をそのまま輸入販売する通販サイトもあるので、購入する前にその製品についてよく調べることも重要です。

健康的メリットによる効果

CBDは空腹を刺激するエンド・カンナビノイド・システム(ECS)に直接影響しませんが、CBDが持つ様々な健康的メリットによって、間接的に食欲が発生する場合もあります。

CBDの効果で心身ともに健康であれば、食事量が自然と増えていく可能性は大いにあると思います。

食欲の抑制

食欲はホルモンの働きによってコントロールされており、満腹を感じる満腹中枢はレプチンというホルモンの影響を受けています。食事により血糖値が上がり、脂肪細胞が刺激されることでレプチンが分泌され、レプチンの働きで食欲が抑制されるのが人間の基本的な仕組みです。

しかしストレスや糖質が多い食生活など、血糖値の上下が激しい生活を送る人が多くなっています。このような生活が続くとレプチンの分泌が鈍くなり、食べても満足しない、食べたら止まらないなどという現象が起きてしまいます。CBDはレプチンの分泌を刺激する働きがあるので、過剰な食欲を抑える効果が期待できます。

低血圧

高濃度、または多量のCBDを摂取した場合、血圧が下がるといわれています。低血圧になることで、軽いめまいや身体のふらつきなどの報告があります。

また、日常生活で血圧系の医薬品を使用している方は、CBDと併用する前に医師への相談をおすすめします。

口の乾燥

CBDの副作用で喉が渇きやすいという報告もあります。これは顎下腺という唾液を作る器官の中にカンナビノイド受容体があり、この顎下腺にCBDが作用することで口が乾燥するといわれています。

しかし、乾燥といっても水分不足でカラカラに乾く訳ではないので、人体に悪影響を及ぼすものではありません。

パーキンソン病の震え

CBDの副作用は人体に悪影響を及ぼす程ではありませんが、持病をお持ちの方は注意が必要です。

例えば、パーキンソン病患者はCBDを服用することで震えなどの症状が悪化するという報告があります。とくに高用量のCBDオイルの使用は避けるべきです。少量のCBD摂取であれば安全だという研究結果もありますが、使用前には必ず専門医へ相談することをおすすめします。

肝薬物代謝への影響

高濃度のCBDは肝臓の働きに影響しやすいと言われています。CBDは、薬を解毒して排泄するための肝臓の酵素の働きを阻害する「肝薬物代謝酵素阻害作用」があるといわれています。

基本的に、常用薬がある人はCBDを使用する前に専門医への相談が必要です。

CBDの副作用が起こりうる注意点

CBDに限ったことではありませんが、健康や治療を目的とした製品は用法・用量を守ることがとても重要です。

もちろん個人差はありますが、メーカーが提示している用法・用量を守ることで副作用が起こる確率を減らすことはできると思います。そのことを踏まえて、CBDの副作用が起きやすい例を紹介します。

一度に使用する量が多い

CBD製品や医薬品のラベルには「用量・用法をお守り下さい」と記載されています。メーカー側が臨床実験を重ねた結果のベストな用法・用量なので、摂取量を増やすことで効果も増幅するわけではありません。

メーカーが提示した用量を守ることが、副作用を出しにくくする方法の1つだと思います。

他の薬を併用している

CBDは、体内のエンド・カンナビノイド・システム(ECS)にある受容体と相互作用し、シトクロムP450の活性を抑制する働きがあります。これが前述した「肝薬物代謝酵素阻害作用」です。

シトクロムP450は、摂取した薬や毒素を分解するのに関わっている肝臓酵素です。CBDがシトクロムP450の抑制することで薬の効果を増加、もしくは減少することになるので副作用が起きやすくなるといわれています。

CBDと併用することで副作用が起きやすい薬をまとめました。

抗凝固剤

抗凝固剤は、血栓などができた時に使用する血液を固まりにくくする薬です。CBDはこの抗凝固剤、もしくは血液を固まりにくくする副作用がある薬の効果を増大させるといわれています。

CBDがシトクロムP450を抑制することで、これらの薬の代謝が遅れてしまい、薬の血中濃度が高まります。これは長時間薬の効果が持続し続けることになるので、出血がとまらなくなる危険性があります。

鎮静剤

睡眠薬や手術の麻酔前に投与される鎮静薬は、中枢神経系に作用し、興奮を鎮静する薬です。CBDは中枢神経系の神経伝達物質受容体と相互作用することで使用者に鎮静効果をもたらします。鎮静剤とCBDを併用すると相乗効果をもたらすので、鎮静剤の効果を高めてしまう可能性が高いです。

鎮静剤とCBDの相互作用が使用者に悪影響をもたらすことはないと言われていますが、安全のために鎮静剤とCBDの併用は避けるべきでしょう。

抗てんかん薬

CBDはてんかん発作に効果があると注目されていますが、抗てんかん薬とCBDの併用は特定の条件下で問題を起こすことがあります。

1992年、サンフランシスコのカリフォルニア大学の研究薬理学者であるレスター・ボルンハイム(Lester Bornheim)氏が行った研究によると「低用量のCBDではてんかん発作に効果的ではない」と述べています。しかし、低用量のCBDでもシトクロムP450は阻害されてしまうので、抗てんかん薬とCBDを併用することで血中濃度が高まり、副作用をもたらす可能性があります。

抗てんかん薬もCBDもてんかん発作を抑える働きがありますが、使用量や併用には十分な注意が必要です。

抗がん剤

抗がん剤とCBDの併用も危険な場合があります。抗がん剤治療は、抗がん剤の適切な投与量がとても重要だといわれています。適正量より少なくても効果はなく、多すぎても身体に悪影響をもたらす可能性が高くなります。

ほとんどの抗がん剤は薬が体内に入ると一定のスピードで代謝されるように設計・配合されているので、抗がん剤とCBDを併用することで代謝プロセスが抑制され、通常よりも高濃度の抗がん剤が血中に流れてしまいます。

CBDも抗がん作用の効果があるといわれていますが、抗がん剤とCBDの併用はがん治療を妨げる可能性が高くなります。

グレープフルーツ

意外な食べ物かもしれませんが、グレープフルーツもシトクロムP450を阻害する効果があります。そのため、さまざまな薬物との併用が禁止されている果物です。

意外と知らない人が多いので、CBDと併用しないよう気を付けなければいけません。

品質が悪い製品

現在国内では、CBD製品を取り扱うお店が増えています。気軽に入手できる一方、“粗悪品”を取り扱う販売店が増えていることも覚えておきましょう。

抽出方法、品質管理、原料などを製品ラベルやパッケージで確認することが重要です。また、製品の販売元のホームページを確認するのも良いと思います。確認する際に、これらの情報が記載されていない、またはホームページ自体が存在しない場合は注意が必要かもしれません。

安全なCBD製品を選ぶ際のチェックポイントをまとめました。

抽出方法

原料となる大麻植物からCBD成分を抽出するには3つの方法があります。

  • キャリアオイル抽出
  • エタノール等溶媒抽出
  • 二酸化炭素抽出

上記で残留溶媒の心配がなく、CBDを含む植物エキスを壊さずに抽出できるのは「二酸化炭素(CO2)抽出」のみです。

一般的には「CBD成分だけ摂取する」よりも、大麻植物に含まれている他のカンナビノイド成分やテルペン類などの成分も一緒に摂取した方がCBD成分単体よりも相乗効果(アントラージュ効果)が期待できるといわれています。

しかし、製品によってはTHC含有量の基準値を超えてしまっている可能性もあるので、より安全な製品を購入したいという方は二酸化炭素抽出で抽出されているかチェックする必要があります。

製品の品質管理

CBD製品の安全性を図る指標として、アメリカFDA(アメリカ食品医薬品局)による「GMP基準」があります。「cGMP」と記載されている場合もありますが、文頭の「c」は“最新“を表す意味で、最新の医薬品適正製造基準をクリアしているという意味です。

世界基準の品質管理制度とされるGMP基準は、日本の品質管理制度(任意)よりもはるかに厳しい基準が設けられています。原材料から製造工程・出荷まで全工程において徹底した管理体制をクリアしなければ表記されません。

GMP基準を受けている製品かどうかも購入する基準になると思います。

原材料

前途した通り、CBDは大麻植物の種子から抽出されています。この箇所から抽出されているCBD製品であれば、日本国内でも合法で安全に使用することができます。

しかし、使用されている大麻植物の部位や含有成分によっては大麻取締法違反となる可能性もあります。

  • 原材料は、どこの国の大麻植物か
  • 茎・種子から抽出されているか(花冠・葉から抽出されたTHC成分が含まれていないか)
  • CBD抽出など、どこで製造しているか
  • CBDオイルのオイルは何を使用しているか

上記のような基本情報をオープンにしている企業のCBD製品を購入することをおすすめします。

使用方法が不適切である

使用方法は、購入する製品によって異なります。

例えば、THCはほぼ除去されているが、THCAを含有する「フルスペクトラム」のCBDオイルは、加熱すると脱炭酸が起こりTHCAはTHCに容易に変換されるため、実質THCの副作用の可能性が高くなるといわれています。100℃の加熱でほぼ脱炭酸が起こるので、CBDオイルを加熱する場合や、気化する電子タバコタイプの製品を利用する場合は充分な注意が必要です。

CBDオイル、リキッド、クリーム、お菓子などCBD製品は様々な種類が存在します。購入した製品には説明書が付属しているので、それ以外の方法で使用しないよう注意しましょう。

まとめ

CBDは大麻植物から抽出される成分ということもあり、違法な成分だと勘違いしている人も多いかもしれません。しかしCBDを摂取することは日本国内でも違法ではありませんし、依存性もありません。これは世界保健機関(WHO)でも正式に発表されていることから、CBDの安全性は保証付きと言えます。

違法というイメージは、同じ大麻から抽出されるTHC(テトラヒドロカンナビノール)という成分からくるものが大半です。CBDはTHCの特徴である”ハイになる”精神活用性は無く、大麻から抽出される箇所も異なります。日本国内では違法のマリファナなどの大麻とは全くの別物です。

しかし、いくら安全と言っても副作用が全くないというわけではありません。カフェインを摂取すると利尿作用が働いたり、風邪薬を飲むと眠くなるなど。これらの副作用と同様に体に害が無い程度の副作用があると報告されています。もちろん個人差はありますが、代表的な副作用をまとめました。

  • 眠気
  • 食欲の増加
  • 低血圧
  • 口の乾燥
  • パーキンソン病の震え
  • 肝薬物代謝への影響

そして、これらの副作用が起きてしまう注意点が下記の通りです。

  • 使用量が多い
  • 併用している薬との飲み合わせ
  • 使用している製品の質が悪い

例えば、併用している薬に抗凝固剤、鎮静剤、抗てんかん薬、抗がん剤などを使用している人は特に注意が必要です。日々の生活で薬を常用している方は、CBD製品を使用する際に専門医と相談することをおすすめします。

タイトルとURLをコピーしました