CBDオイルはペットにも使用できる?

ペット

結論から言えば、ペット用に販売されているCBDオイルはヒト用のものと同じです。

海外ではペット用のCBDオイルが販売されていますが、ペットにとって刺激の強いテルペンを除去し、代わりに魚油を使用するなど、香料などを除去した程度の違いになります。ペット用のCBDオイルを人間が使っても問題はありません。このことからも、人間がペットに対してCBDの効果を求めるのも自然の流れだと思います。

2019年10月に発行された市場調査資料「Packaged Facts(パッケージドファクツ)」では、イヌの飼い主の11%とネコの飼い主の8%がCBDのサプリメント、またはペット用の何らかの製品を1回以上使用したという報告があります。ペットのおやつの年間小売売上高が米国で約67億ドル(7000億円)という事実を考えると、今後有名ブランドがペット用CBD製品の開発に力を入れるのではと予測されています。

CBDが人間にどのような効果を与えるかは多くの記事や研究報告が存在します。しかし、動物に関しての研究報告は不足しているのが現状です。実際に、米国のほとんどの州の獣医は自分の意見に関わらず、ペットに大麻ベースの製品を推奨または処方することはできません。

CBDは人間のエンド・カンナビノイド・システム(ECS)を活発化させることで、健康を維持するために重要な役割を果たします。このような効果は動物にも効果があるのでしょうか?

ペットにCBDオイルを使用する理由

ペットも人間同様に精神的および身体的健康問題を抱えることがあります。飼い主はCBDを使用することで、ペットの抗不安リラックス効果を求めるケースが多いのではないでしょうか。例えば、以下のような症状が出る場合にCBDの使用を検討します。

  • 攻撃的な行動
  • 関節炎
  • 喘息
  • 慢性上気道感染症
  • 炎症性腸疾患
  • 食欲減少
  • 膵炎
  • 発作
  • ストレス

上記の症状は軽度から重度までさまざまですが、CBDオイルが鎮痛作用抗炎症作用の効果を期待できることから、ペットへの使用を考え始めたという飼い主が増えたと聞きます。

CBDと変形性関節症(OS)

2018年の研究では、変形性関節症のイヌを対象にCBDの安全性、抗炎症作用、および鎮痛作用の調査を行いました。

研究結果は、1日2回、体重1kg あたり 2〜8mg のCBDを投与することで、変形性関節症のイヌの快適さと活動を高めることに役立ったと報告されています。さらに、この調査では80%のイヌが痛みと運動性の改善を示したことが明らかになりました。飼い主からの報告では、テストされたイヌに副作用は無かったと報告されています。

この研究での唯一のマイナスの影響は、後述するアルカリホスファターゼ(ALP)の増加です。ALPは肝酵素であり、その上昇したレベルは何かが肝細胞膜を刺激していることを示しています。感染、炎症(変形性関節症は炎症性疾患です)、特定の薬物療法、中毒、一部の疾患など、ALPレベルの上昇を説明するさまざまな理由が考えられます。

CBDとてんかん

2019年の別の研究では、CBDがてんかん発作のイヌを助けることがわかりました。この研究では、1つのグループのイヌに発作薬とCBDを投与し、もう1つのグループには発作薬とプラセボを投与しました。

この研究では、CBDグループで発作の頻度が大幅に減少したことが示されています。研究者はイヌに抗てんかん治療薬に加え、CBDを注入したオイルを体重1kgあたり2.5 mg、1日に2回12週間与えました。

この研究によると、両方のグループで発作の改善が見られたことから、イヌの発作を50%以上減らすにはより多くのCBDが効果的かどうかを判断するための研究が必要です。

ペットに与えるCBDオイルの適用量

ペットに治療効果がありそうな量、および毒性を証明できる量を決定するのに十分な研究はありません。イヌにおけるマリファナの毒性に関する研究では、1kgあたりわずか1mgのマリファナが大麻中毒を引き起こす可能性があることを明らかにしています(これらの調査結果はまだ論争中です)。ただし、マリファナから中毒性のある部分を取り除いたCBD自体が同じ問題を引き起こすことはほとんど無いと言われています。

オレゴン州の獣医、コーネリア・ワグナー博士によると、ペットにCBDを与える際はできるだけ少ない量から始めることが重要と述べています。彼女の意見では、体重1kgあたり1日0.05mgのCBDを与えることを基準値と提示しているので、イヌの体重が20kgの場合、1日に1mgのCBDを与えることが適用量だと発表しています。

CBDの効果が見られない場合は、ペットに耐性がある可能性が高く、5日ごとに用量を徐々に増やすことを推奨しています。しかし、過度の興奮や鎮静、嘔吐、見当識障害などの副作用がないかペットを注意深く観察することが重要です。

イヌは人間よりも受容体が多く、複雑なエンド・カンナビノイド・システム(ECS)を持っていることから、イヌが人間よりCBDの影響を強く感じるのではないか?と研究者は予想しています。

ペットのエンド・カンナビノイド・システム(ECS)

エンド・カンナビノイド・システム(ECS)はすべての哺乳類に存在します。人間と同じように、ECSはペットの身体にも自然なバランスを維持するのに役立っています。CBDを摂取することでECSを活性化させる効果を期待できるのは人間もイヌ、ネコも同じです。このことから「ペットにもCBDは効果がありますか?」という議論が起きています。

CBDがECSにどのように作用するかを理解するには、神経伝達物質と受容体について知る必要があります。

神経伝達物質

神経伝達物質は、ニューロン(神経細胞)の接続で生成される分子です。その機能は、接続しているニューロンに信号を渡して伝えること、または血流に到達して体内の他の細胞に到達することにあります。このシステムは私たちの脳が信号を送信し、他の細胞にどのように行動するかを指示するものです。

脳は膨大な数のシグナル伝達分子を作り出します。ホルモンもその一種です。例を挙げるとドーパミン、セロトニン、オキシコンチン、メラトニン、ヒスタミンなどがあります。

また、CBDなどのカンナビノイドは、シグナル伝達分子の一種です。体内には、内因性カンナビノイドと植物性カンナビノイドがあります。前者は人間や哺乳類などによって自然に作られ、大麻草は後者を作ります。CBDオイルに含まれる植物カンナビノイドは、特定のカンナビノイド受容体を模倣しています。

カンナビノイド受容体

体内には、カンナビノイドと相互作用する細胞の表面に受容体があります。彼らは細胞の外側の状態を分析し、その結果を細胞の内側に伝えます。その結果、適切な細胞応答が引き起こされます。哺乳類にはいくつかのカンナビノイド受容体がありますが、主なものはCB1およびCB2受容体です。

哺乳類のCB1受容体は全身に存在しますが、主に脳と脊髄にあります。脳の受容体は視床下部(食欲を調節する)や扁桃体(記憶や感情に関連する)などの領域にあります。研究者は、人体に神経終端の痛みを制御できるCB1受容体を発見することに成功しました。

CB2受容体は、主に免疫系と神経系に見られます。CB2受容体の活性化は炎症を調節できます。

マリファナには少なくとも約100種類のカンナビノイドが確認されていますが、その中でもTHCとCBDが最も豊富な成分です。THCは向精神作用がありますがCBDにはそういった酔わせる要素はありません。

体内にある内因性カンナビノイドの分子はCB受容体と結合し、それらを活性化します。ペットがCBDを摂取すると、この化合物はカンナビノイド受容体と同じ方法でCB受容体を刺激します。その結果、痛みをブロックしたり、筋肉のけいれんを和らげたり、不安レベルを下げたりするなど、潜在的に好ましい効果があると言われています。

さまざまな見解があるペット用CBD

1988年、エルサレムヘブライ大学の医薬化学の教授ラファエル・メコーラム氏たちが、イヌへCBDを使用する際の薬物動態研究が学術雑誌「the Drug Metabolism and Disposition journal」に掲載しています。

イヌ科のグループに180mgのCBD用量と、それぞれ45mgと90mgの2回の用量を経口投与しました。CBD投与後すぐに分布し、その後長い時間をかけて排泄されました。興味深いことに、調査した6匹のイヌのうち3匹は血漿中にCBDを検出できませんでした。他の3匹では、バイオアベイラビリティ(服用した薬物が全身循環に到達する割合)はわずか19%でした。

結論は、「CBDは経口投与後、体内にほとんど吸収されない」ということ。そして、低い吸収率はおそらく「初回通過効果(摂取された薬剤が、投与された部位から全身へ送られる際に肝臓などで代謝される過程のこと)」によるものでした。

引用元『the Drug Metabolism and Disposition journal』

このように、CBDはイヌに向いてないという発表をした研究者もいれば、別の研究では2018年7月、関節炎のイヌにCBDを投与した臨床研究を、学術雑誌「Frontiers in Veterinary Science」で発表しています。内容は以下の通りです。

体重1kgあたり2mgのCBDを与えたイヌのグループと、12時間ごとのプラセボオイルを与えたイヌのグループの実験です。各治療は4週間続き、さらに薬物が時間経過と共に体内から完全に無くなる期間として2週間を設けました。研究結果として副作用がないことも素晴らしいですが、CBDを摂取したイヌの80%が関節炎により痛みの減少を大幅に示し、さらには活動性の向上が見られました。

引用元『Frontiers in Veterinary Science』

この研究は、1日2回、体重1kgあたり2mgのCBDが変形性関節症のイヌを助けられると結論付けています。前述したワグナー博士が推奨している摂取量よりもはるかに多い量であることが興味深いです。

これらの実験のように、CBDをイヌに投与した際に効果があるのか?という意見はさまざまです。現段階では、誰もが納得できる決定的な研究結果は現れていません。しかし、アメリカ獣医師会の最高獣医官であるゲイル・ゴラブ氏は「CBD製品が治療薬として獣医の関心を集めるのは当然のことですが、製造業者が米国食品医薬品局(FDA)の承認を得て効果的であること、また安全であることを実証し、私たちが自信を持って商品を使えるようになってほしい。」と述べています。

このコメントからも、イヌのてんかん治療としてCBDを処方したい獣医もいるということです。

イヌのためのCBD研究

コロラド州立大学のステファニー・マクグラス博士は、2016年以来てんかんまたは変形性関節症のイヌにおけるCBDの影響に関する2つの臨床研究を完了しています。

2016年、米コロラド州ではマリファナの所持・娯楽使用が合法化されたことで、コロラド州立大学はその医学的影響について問い合わせを多く受けるようになりました。マクグラス氏は「Applied Basic Sc​​ience Corporation」から提供されたCBDを使用して、てんかんおよび変形性関節症(OA)のイヌに対するCBDの効果の研究を始めます。

マクグラス氏の最初の研究では、30匹の健康なイヌを調べたところ一定量のCBDに耐性があることを発見しました。てんかんの予備研究は非常に有望であると判断した愛犬家団体「アメリカンケネルクラブ」は、マクグラス氏に35万ドル相当の資金を提供し、CBDがイヌに対してどのような影響を与えるのか、より大きな臨床実験ができるようサポートしています。

ネコのためのCBD研究

残念ながら、ネコに対するCBD研究例はほとんどありません。ペットのCBDに関する研究の大部分は、イヌに対する研究報告がほとんどです。前述したペット研究の第一人者でもあるステファニー・マクグラス博士もイヌを対象に行われた研究結果を発表しています。

しかし、ネコも哺乳類なのでエンド・カンナビノイド・システム(ECS)を持っているため、論理的にはイヌ・人間と同様に機能すると言われています。

マクグラス氏はCBDが治療法として実証できれば、有効性と最小限の副作用という夢のような処方薬を提供できる述べています。彼女の研究ではイヌとネコの関節炎およびイヌのてんかん治療におけるCBDの有効性が含まれているので、決定的な結果が公表されるのを楽しみに待っていましょう。

ペットにCBDオイルを使用しても安全?

2017年の世界保健機関(WHO)の報告によると、答えは「はい」です。

あくまで人間に対しての答えになりますが、前述したようにまだ研究例が少ないので獣医は治療法の1つとしてCBDを処方することはできません。現段階で発表されている個人の判断で使用する際の注意点を紹介します。

アルカリホスファターゼ(ALP)の増加

アルカリホスファターゼ(ALP)とは肝臓の酵素であり、ある研究ではイヌがCBDで治療したときにALPレベルの増加を発見したと報告されています。

前述したステファニー・マクグラス博士は、イヌに肝不全があるかどうかを確認するテストを行いました。しかし幸いなことに、彼女のテストでは問題点はとくに見つからなかったと報告しています。

それでも、マクグラス氏は肝臓に問題があることが分かっているイヌやネコにCBDオイルを与えることは推奨していません。

THC含有量ゼロのCBD製品を使用する

関節炎、癌、その他の慢性疾患などの健康上の問題があるペットは、症状を緩和するために、制御された用量のTHC成分が含まれた医療用大麻を使用することもあると聞きます。

しかし、THCを含むペット用CBDオイルを与えるケースはまだ研究中であり、そもそも日本国内ではTHC成分が含まれたCBD製品を使用することは違法です。医療用として処方する国があるとしても、日本国内で使用することは一切禁止されています。ペットの安全のためにもTHC含有量がゼロの純粋なCBDオイルを使用する必要があります。

その際、CBDの輸入品には注意が必要です。アメリカではTHCが0.3%未満のCBDオイルは一般的に安全とされているので、THCが含有されている商品かどうかを確認しなくてはいけません。フルスペクトラムなど高用量の製品は小動物に副作用を引き起こす可能性もあります。これらの製品はラベルに掲載されているTHC含有量よりも多いケースもあるので、より安全なアイソレートのCBDオイルがお勧めです。

砂糖を含まないCBDオイルを使用する

純粋なCBDオイルは、口に土っぽい苦い味を残します。そのため、コーヒーや紅茶にCBDオイルを入れるなど、使用方法に工夫する人もいますが、CBDの苦味をカバーするために、製品自体に人工フレーバー、またはブドウ糖のような砂糖を調合するCBD製品が多いのも事実です。ペット用のCBD製品には牛肉や魚など、動物にとって馴染みのある味をフレーバーにしている場合もあります。

少量では有害とは言えませんが、人工甘味料砂糖を配合したCBDサプリメントなどを長期的に摂取する場合は健康問題につながる可能性もあります。

できるだけCBDオイルが無糖で人工甘味料を含んでいない製品を選ぶことが重要です。人間と同じように、過剰な砂糖は糖尿病、胃のむかつき、むし歯、ペットの体重増加などの健康上の問題を引き起こす可能性もあります。

低用量から使用する

人間を対象としたCBDオイルをペットに与えるときは、動物は人間よりも体が小さく、CBDに敏感であることをふまえて使用する必要があります。したがって、人間の使用量よりも少ない用量から始めることが重要です。一般的には毎日0.55〜1.1 mg / 体重kgが適切と言われています。

ペットのための基本的なガイドラインです。

イヌのサイズ用量注意事項と投与方法
小型犬(約1~7kg)0.5mg〜5mg小型犬は新陳代謝が速いため、通常1日あたり3〜4回投与する場合があります。
中型/小型犬(7~13kg)5mg~10mg中型小型犬は通常、1日あたり2〜3回投与する場合があります。
中型/大型犬(13~27kg)10mg~25mg中型犬は通常、1日あたり約2〜3回投与する場合があります。
大型犬(27~68kg)20mg〜50mg大型犬は通常、1日あたり約2回投与する場合があります。

上記のように、ペットの大きさによって少量から始める必要があることを覚えておきましょう。

まとめ

ペットに対してのCBDオイルの実験例は少なく、特にネコに対しての報告はほぼ無い状況だと言えます。ペットのCBDに関する研究の大部分は、イヌに対する研究報告が多いのも特徴です。

確定的な実験結果は不足していますが、人間・イヌ・ネコも哺乳類なのでエンド・カンナビノイド・システム(ECS)を持っているため、論理的にはペットも人間同様にCBDオイルの効果が期待できると報告されています。

海外ではペット専用のCBDオイルは販売しています。特徴は、ペットにとって刺激の強いテルペンを除去したり、香料などを除去した程度の違いであり、CBDオイルの製品内容に関してはヒト用とほぼ同じです。

ペットにCBDオイルを与える際は獣医に相談することも重要です。使用する製品に関しては、糖分が含まれていないこと。そしてTHCが一切含有されていないなど、純粋なCBDオイルであることが最低条件だと言われています。

その他には他の薬物を使用している場合は併用しない、もしくは獣医に相談することが重要です。そしてペットは人間よりも身体が小さいので、適切な投与量を計算する必要があることも覚えておきましょう。

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